オーストラリア遠征で役立った機材

 5月のオーストラリア遠征で使用した天体撮影機材を紹介します。現場でパソコンを使わない(使いたくない)ことを前提に考えた構成です。

 オートガイダーは、パソコン不要でワンプッシュオートガイド機能を備えたLACERTA MGEN-3を使いました。ガイドスコープはKowa LM100JC(100mm F2.8)で、K-ASTEC製の関連パーツを介して縦位置ブラケット(ベルボンBR-ASZ7)に接続しています。BR-ASZ7にはカメラ底面に取り付けるネジだけでなくストラップリングを利用した追加固定ネジが装備され、縦位置でも確実な固定が行える(単にカメラボディに当たっているのではなく、しっかりネジ止めできる)のが特長です。このシステムで800mmレンズをガイドしましたが、 ガイドミスは皆無でした。



 実際に800mmレンズ(NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S)をガイドしている状態です。このレンズでは野鳥撮影も行うため、迷彩柄のレンズコートを装着しています。赤道儀はビクセンAP(2軸モーター仕様)です。赤道儀に標準付属の1kgウェイト+コスモ工房製延長シャフトでバランスが取れました。AP赤道儀を海外に持ち出したのは4回目(オーストラリア3回、米国1回)ですが、常に安定動作してくれました。別売の「APマウントケース」にウェイトを含む赤道儀全体がコンパクトに収納できる点も海外遠征に向いています。MGEN-3に付属のコードをAP赤道儀のSTAR BOOK ONEコントローラーに接続するだけでオートガイドが機能します。
【撮影結果】
・イータカリーナ星雲、タランチュラ星雲など
・ガム星雲

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 極軸合わせには笠井トレーディングのワイドファインダーを活用しました。このファインダーはWideBino28を利用したもので、実視界が28°もあり、暗視野照明も備えています。そのため、極軸合わせに利用する「はちぶんぎ座の台形」が非常に分かり易いのです。極望を覗く前に、このファインダーで台形を見つけて天の南極の位置をセンターに持って行ってから極望を覗くと、簡単に追い込みができます。ちなみにAP赤道儀の極望(PF-LII)は倍率が高めで、台形4つのうち3つしか視野に入りません。極望だけで導入するのはかなり大変です。なお、ファインダーと極望のセンターは事前に地上の遠景で合わせておきました。ファインダーの下面にはアルカスイス互換プレートを装着(ネジで固定)し、ワンタッチで着脱できるようにしています。
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 最後に、観望用に持参した笠井トレーディングのSuper WideBino36を紹介します。数ある星座双眼鏡の頂点に位置する高性能モデルで、素晴らしい像を結んでくれます。百聞は一見に如かず。ぜひその見え味をご自身の目で確かめて頂きたいです。7/7現在、当店に在庫があり即納できます。税込価格24,200円です。
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